近年話題となっているMCTオイルは、 Medium Chain Triglyceride の頭文字をとったもので、日本語では注さ脂肪酸と呼ばれています。
多くの食品油は、長鎖脂肪酸(LCT)でできています。長鎖脂肪酸は、体内で吸収された後、体脂肪として蓄積され、必要に応じてエネルギーとして燃焼されていきますが、体内に過剰に蓄積されることにより肥満となり、メタボリックシンドロームを引き起こします。
一方、中鎖脂肪酸は、鎖の長さが長鎖脂肪酸に比べ約半分であるため消化吸収が早く、門脈から直接肝臓に運ばれて速やかにエネルギーに変わります。また、体内でケトン体に変わりやすいのも特徴です。
医療用では、「MCTオイル」という中鎖脂肪酸を97%含む油が使用されており、手術後の栄養管理や低栄養患者さんの栄養補給、また小児のてんかん治療食(ケトン食)などの医療用食品として、長年使用されてきました。
当院では、より高濃度に中鎖脂肪酸を含む MCT 点滴を用い、肥満や糖尿病あるいは経口での栄養摂取が難しくなったがん患者様への栄養供給など、生活習慣病の改善からがん治療への応用していきます。