前回の記事で、中鎖脂肪酸(MCTオイル)は、摂取してからすぐにエネルギーになりやすく、体脂肪として蓄積されにくい油であることをお伝えしました。
今日は、MCTオイルが慢性腎臓病の食事によく使われていることをお伝えしていきますね。
- MCTオイルの特徴
中鎖脂肪酸(MCT)は、すぐに体内で吸収されてエネルギーとして代謝されるため、中性脂肪として体内に蓄積されにくいという特徴を持っています。
今はよく耳にする「MCTオイル」ですが、実は昔から、このMCT オイルは医療現場で使われているのです。
- MCTオイルと慢性腎臓病(CKD)
MCTオイルは、摂取すると肝臓に運ばれてすぐにエネルギーとして使われます。
その特徴から、MCTオイルは昔から医療現場でも使われています。
そのひとつに慢性腎臓病(CKD)があります。
慢性腎臓病(CKD)の患者さんの食事療法は、たんぱく質の制限がありながらも必要なエネルギーは確保しなければなりません。
たんぱく質の摂りすぎは、腎臓に負担をかけてしまいます。腎臓に負担がかからないようにするために、たんぱく質の制限があるのです。
たんぱく質を多く含むものには、お肉(鶏・豚・牛など)、魚介類、卵、乳製品などがあります。どれもカロリーを確保するためには大事なものになりますので、たんぱく質を減らしてしまうとどうじてもエネルギー(カロリー)不足になってしまい栄養不足につながってしまいます。エネルギー不足は、体内のたんぱく質が分解されてしまうので、しっかりとエネルギー確保が必要なのです。
そこで、たんぱく質を含まない糖質や油でエネルギーアップにするのです。
油は、糖質よりも1gあたりのカロリーが高いので、効率良いエネルギー源になります。
中でもMCTオイルは、サラダオイルなどと炭素鎖の長さが違い、消化吸収がとても早く体内ですぐにエネルギーに変わるため、体内に脂肪として蓄積されにくい特徴からも、患者さんに使われています。
糖質でエネルギーを摂ると、糖質が多くなってしまったりと糖尿病の患者さんにとっては食事のコントロールが難しくなってしまいます。ですので、すぐにエネルギー補給につながるMCTオイルが使われているのです。
適切な食事療法を進めていくためにも、MCTオイルは大事な役割をしているのですね!
あなたのかかりつけ栄養士
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